理事長ごあいさつ
【はじめに】
博物館網走監獄のホームページをご覧いただきありがとうございます。
当博物館は、昭和58年(1983年)7月に開館し、25周年を迎えた平成20年(2008年)
5月2日に通算入館者1千万人を達成することができました。これもひとえに、国の内外から当館を訪れていただいた多くの来館者の皆様、地域の皆様に支えられての事と衷心よりお礼と感謝を申し上げますと共に、財団関係者一同、次の大きな目標に向けて、更なる努力を続けております。![]()
【設立の経過】
昭和48年(1973年)、網走刑務所の改築計画が公表され、明治時代の貴重な古建築物群が失われることを憂いた網走新聞社社主(当時)故佐藤久氏が、旧刑務所建築物の一括移築保存を提唱、保存事業にかけた氏の熱い思いが多くの網走市民の心を動かし、法務省、北海道、網走市等の関係機関のご支援をいただき、昭和55年(1980年)5月28日、佐藤氏が創設理事長となり『網走刑務所の旧構築物を文化財として保存すると共に、北海道における近代行刑資料を広く公開展示する事業を行い、教育文化の発展に寄与することを目的とする』財団法人として設立認可を受け、実際に刑務所として使用していた建物を文化財・博物館として保存公開する事業に着手し、3年の準備期間を経て開館に至りました。
平成6年(1994年)に博物館法上の登録博物館としての要件を満たし、平成17年(2005年)には保存している網走刑務所旧建築物群中、三件が登録文化財として文化庁から認定を受け、網走監獄の明治期建築物の文化財的価値が証明されました。
今年、平成22年(2010年)は明治23年(1890年)に網走刑務所の前身である釧路集治監網走囚徒外役所が創設されてから120年目となります。また網走監獄保存財団も創設30周年の記念すべき年でもあります。
この節目の年、2月1日に博物館の展示施設・行刑資料館を、全面リニューアルして監獄歴史館としてオープンしました。
新しい監獄歴史館には、明治24年(1891年)網走から旭川までの220kmの中央道路を多くの犠牲者を出しながら僅か八ヶ月で完成させた網走の囚徒たちに光を当てた『赫い囚徒の森・体感シアター』を設置しました。最新の刑務所の内部を再現し、また網走の街、市民と網走刑務所の少し不思議な関わりを展示しています。展示には、デジタル映像や立体音響など最新の技術、様々な体感型手法を採用しました。見学を通じて、必ず何かを感じていただけるものと確信しています。
現在、博物館では、近年増加傾向にある海外からの来館者に対応をするため、館内展示、解説文の多言語化などの対策を進めています。
また保存している刑務所建築物群は、日本国内では、最大にして最古の木造行刑関連施設であることから文化財としての価値を再評価すると同時に、将来に亘って効率的に保存するための調査事業に着手したところです。【知られざる北海道開拓の歴史】
時は明治、かつて蝦夷地と呼ばれていた最後の開拓地、北海道。帝政ロシアの侵攻に備えるため、明治政府はこの未開の大地の防衛と開拓を急ぎました。しかし日本が近代的な中央集権国家に生まれ変わるために国を二分した最大の国内戦、戊辰戦争を終えた後も国内の混乱は続き、明治7年(1874年)佐賀の乱から明治10年(1887年)西南戦争までの士族反乱、そして自由民権運動の高まりから大量の国事犯(政治・思想犯)を収監、政情の不安も重なり、国内の監獄は約9万人の罪囚を抱え込んでいました。
この二つの大きな問題に対応するために明治政府は、北海道に次々と集治監と名づけた監獄を設置しました。
明治14年(1881年)樺戸(現在の月形町)、明治15年(1882年)空知(現・三笠市)、明治18年(1885年)釧路(現・標茶町)、そして明治23年(1890年)に網走、明治27年(1894年)十勝(現・帯広市)と5ヶ所の監獄を設置し、大量の囚徒を送り込んで道路開削や開墾、石炭や硫黄などの危険な鉱物採掘などに、使役を続けました。
北海道開拓の歴史を語る時に、一般的に屯田兵や民間人入植団による開拓が知られていますが、それ以前に、その名前を残すことなく礎となった囚徒たちの働きはあまり知られていない歴史の真実です。
この物語をぜひ皆さんに知っていただきたいと思います。【おわりに】
このホームページを覗いて見て、もし興味をもたれましたら、一度ご来館ください。
また、網走はオホーツク海と四つの湖、豊かな大自然に囲まれたとても美しい場所です。
当館の他にもオホーツク流氷館(名勝天都山)、北方民族博物館、謎のオホーツク文化を伝える網走郷土博物館など多くの施設があります。オホーツク海では、今年からイルカ・ホエールウォッチングが始まりました。
冬は流氷砕氷船「おーろら」が運航します。能取美岬、原生花園など雄大な自然を楽しむことができ、 四季折々に海の幸、山の幸をご賞味いただける場所でもあります。ぜひ、魅力あふれる網走においでください。お待ちしております。
平成22年10月
財団法人網走監獄保存財団
博物館網走監獄
理事長 鈴 木 雅 宣








